日本企業「伊藤忠商事」主催のヘイダル・アリエフ・アゼルバイジャン大統領歓迎会における大統領の挨拶 1998年2月24日、東京

尊敬する「伊藤忠商事」社長ならびに皆様

橋本首相のお招きに預かりまして今朝、皆様の「日出処」に来日し、その後すぐに一連の商談が始まりました。

最初の商談は、尊敬する「伊藤忠商事」の社長ならびに幹部の皆様と行われました。アゼルバイジャンが主権国家として独立した後、我が国に最初に関心を示し、活発な協力を始めた日本の大手企業が、「伊藤忠商事」です。

御社が初めてアゼルバイジャンで名声を得たのは、1996年のことでした。この協力関係がわずかな時間で大きく、幅広く発展したことを、嬉しく思います。

本日の商談では、我々の経済的関係の現状、今後の協力の可能性、そして御社のご提案などについて話し合いを行いました。御社が積極的にご活躍され、アゼルバイジャンでその活動を拡大しようとされていることは、個人的にとても好感を持っております。本日、皆様にこのような冗談を申し上げました。「カスピ海域すべてを占領したいお考えなのですね」と。この冗談にはそれなりの理由があります。皆様はアゼルバイジャンにおいて、その活動を非常に広範囲に展開されています。アゼルバイジャンと日本の全体的な協力および関係の発展に、多大な意義を与えるものであるため、これを支持しております。

経済分野を中心とした両国の協力関係が、まず「伊藤忠商事」のような企業を通じて実現されていくことは明白であります。御社とともに極めて長期間の協力関係のための確固たる基礎を築き、さらに我々の活動は21世紀を見据えていると考えます。明るい未来が見えます。

日本がその高い技術力、多大なる経済力、豊富な経験を以って、我々の地域、特にアゼルバイジャンにおいて、関与を強めて行くことに興味を抱いております。

御社は、我々の協力関係が、石油・ガス分野の枠を超えているとおっしゃいました。石油・ガス・パイプライン建設を含む、他の分野にご関心を示されたことも、肯定的に受け止めております。このように、日本とアゼルバイジャンの協力関係の基礎を、我々が築いているのです。

この後、日本国天皇ならびに橋本首相、また他の政府関係者との面談が控えております。このような関係すべての基礎となっておりますのが、両国の経済関係です。これはさまざまな日本の企業との協力関係が具体的に示しております。

本日は御社、そして他の日本企業の代表とも商談を行いましたが、御社以外の会社もアゼルバイジャンに関心をお持ちになられていることを、嬉しく思っております。御社にとってこれはあまり好ましくないかもしれません。しかしながら、ご存知の通り、競合企業があったからこそ、これほどの大きな発展を遂げることができたのです。我々も、競争は大きな力になると考えております。

ご列席の皆様ならびに御社に、活動における新たなご成功を祈念いたします。我々の協力関係が長期間続くことを確信しております。健全な良き提携関係を支持しており、我々の関係がそのようなものになることを希望します。

日本および日本国民の皆様のご多幸、ご平安、ご成功をお祈り申し上げます。御社が常に日本企業の先頭に立ちますように。我々はこれを支援いたします。

ご健康、ご幸福をお祈り申し上げます。ご清聴ありがとうございました。

「バンコフスキー・ラボーチイ」紙、1998310