ヘイダル・アリエフ・アゼルバイジャン大統領と日本国天皇陛下の会見の際に交わされた御言葉 1998年2月25日皇居にて


日本国天皇 アゼルバイジャン共和国大統領に、心から歓迎の意を表します。ここでお会いできることを誠に喜ばしく思います。

この度の初めての御来日は、日本とアゼルバイジャンの変わらぬ関係発展において、大きな意義があります。日本とアゼルバイジャンの友好関係には古い歴史があり、このような関係は伝統的に続いております。そして日本政府は今日、独立国であるアゼルバイジャン共和国との協力関係を今後強化していくことに、大きな関心を示しております。最近、日本とアゼルバイジャンの関係拡大を目的として、一定の活動が成し遂げられ、たくさんの日本企業との相互関係が築かれました。これらの関係は、両国の相互関係発展のための第一歩です。アゼルバイジャンにおかれましては、法治的で民主的な国家が確立され、民主社会が形成され、改革が実現され、外国との関係が拡大されており、一言で申し上げますと、大業がなされています。日本は興味深く御国を見つめております。アゼルバイジャンがやがて、世界の先進国の-国になると確信しています。

アリエフ大統領 天皇陛下、心からの御言葉および御持て成しに感謝申し上げます。この度の日本への正式訪問に大変満足しております。

我が国は法治的、民主的、世俗的な国家建造および円満な改革の分野において、多大な仕事を成し遂げました。独立したアゼルバイジャン共和国は、日本との関係の持続的発展およびさらなる強化に大きな関心を抱いております。御存じの通り、アゼルバイジャンは数年前に独立を獲得いたしました。我が共和国は独立国家として、国際社会でその地位を占めています。しかしながら、我が国が中断している戦争状態は、独立したアゼルバイジャンの将来に苦難をもたらしています。アルメニアによる武装攻撃の結果、国の20%の土地が占領され、数百万人もの国民が避難民または強制移住民の状態におかれています。それでも我が国は戦争には未来がないことを理解し、停戦を希望しています。アゼルバイジャンは常に、世界各国とあらゆる分野で相互利益関係を築くことに注意を向けています。国の扉は、世界中のすべての事業者に開かれています。我が国における社会・政治状態の安定は、外国投資家の投資保護、対外貿易の自由化、実業家の自由活動のための条件をつくりました。現在国内では、世界のほとんどの国の一流企業が活動しており、我が国の経済発展に惜しみなく投資をしています。私が国を率いていた1970年代に、日本の会社「東芝」が、バクーでエアーコンディショナーの工場建設に直接関与したことを、嬉しく思い出します。我が国は、世界で偉大な権威を獲得した日本企業と今後の関係を強化することを、極めて重視しています。カスピ海のアゼルバイジャン領海における鉱床の共同開発契約では、「伊藤忠商事」が現在、大きな割合を占めていることを強調したいと思います。多くの日本企業が、すべての分野において、アゼルバイジャンとの関係拡大に関心を持っていることを、高く評価しております。

アゼルバイジャンと日本の協力関係が今後発展するよう、そして両国の経済および文化関係が拡大するよう、我々は尽力しなければなりません。 

「バンコフスキー・ラボーチイ」紙、1998310